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ロングセラー商品「サッポロポテト」の秘密に迫る! ~「つぶつぶベジタブル」と「バーべQあじ」はこうして生まれた~

「サッポロポテト つぶつぶベジタブル」と「サッポロポテト バーべQあじ」は発売以来、約50年もの間、多くの皆様から愛され続けています。商品を担当する王昱さん(マーケティング担当)と、橋口美穂さん(開発担当)に、その誕生秘話やロングセラーまでの道のり、これからの目標等について聴きました。

※編集部注:社内では、「サッポロポテト つぶつぶベジタブル」は“つぶベジ”、「バーべQあじ」は“バーべ”と呼ばれています。
王さんと橋口さん王 昱(おう ゆう)写真左
カルビー株式会社 マーケティング本部 商品4部 2課
2012年入社。品質監査部を経て、2015年よりマーケティング本部で「かっぱえびせん」の企画に携わる。2018年より現職。現在は「サッポロポテト」や「チーズビット」等を担当。                    橋口 美穂(はしぐち みほ)
カルビー株式会社 研究開発本部 開発1部 野菜スナック課 課長
他社で開発に関わる業務を経験したのち、2005年に入社。「フルグラ」や「ドリトス」「かっぱえびせん」等の開発に携わる。2021年より現職。現在は「サッポロポテト」等の野菜スナックの開発を担当。

「生のじゃがいもを丸ごと使った、じゃがいもの味がするスナックを作りたい!」という思いを具現化

―まず、1972年12月に発売した「サッポロポテト」(現在の「つぶつぶベジタブル」)についてお聴きします。どのような背景から生まれたのでしょうか?

王:今でこそカルビーは、「ポテトチップス」や「じゃがりこ」等、じゃがいもを使用した様々な商品を販売していますが、カルビーとして初めて生のじゃがいもを原料に使った商品が「サッポロポテト」です。カルビーの礎となる創業の精神に「未利用の食糧資源を活用する」というものがあります。当時、加工用じゃがいもの多くが食用としては未利用資源となっていました。創業者(松尾孝)の「生のじゃがいもを丸ごと使った、じゃがいもの味がするスナックを作りたい!」という思いから生まれたのです。

※編集部注:カルビーで初めてじゃがいもを使った商品としては1971年12月に発売した「仮面ライダースナック」がありますが、これはアメリカ産のマッシュポテト(ポテトフレーク)を使用していました。

―当時のカルビーは1964年に発売した「かっぱえびせん」がヒットして急成長をしていた時代ですね。

王:「かっぱえびせん」は、小麦粉の生地にえびを練り込んだスナックですが、生地にじゃがいもを練り込んだのが「サッポロポテト」で、「かっぱえびせん」と同じ製法で作っていました。「かっぱえびせん」の人気にあやかって、1972年の発売当時のパッケージには“かっぱえびせん姉妹品”と表記されていました。

1972年サッポロポテト

発売当時のパッケージ

1973年2月号社内報サッポロポテト発売

発売当時の社内報。「『サッポロポテト』を第二の『かっぱえびせん』たらしめるために、私たちは何をなすべきか」と書かれています。

橋口:当時は、原料のじゃがいもの特性をよく把握できていなかったため、試作の段階では、きれいな白いスナックが出来上がったにも関わらず、いざとなると原料に含まれる糖によって茶色く焦げてしまったりと、開発には試行錯誤を何度も繰り返したそうです。機械も今のような設備ではなく、じゃがいもを蒸すのにたくさんのせいろを用意して手作業で行っていたと聞いています。

―そもそも、なぜ「サッポロポテト」という名前なのでしょうか?

王:じゃがいもの一大産地が北海道であり、発売した1972年は冬季オリンピックが札幌で開催されたことが大きな理由です。パッケージをよく見ていただくと、“サッポロ”の「ポ」の〇が★になっていますよね。これは発売当初からで、商品名の由来同様に、札幌市の徽章(シンボルマーク)の星印に由来しています。

サッポロポテトロゴ

野菜を美味しく楽しく味わえるよう時代のニーズに合わせてリニューアル

―生のじゃがいもを使った独創性に加え、類似商品が無かったことも追い風となって、「サッポロポテト」は「かっぱえびせん」に続く大ヒット商品となりました。現在の「サッポロポテト」には、じゃがいものほか7種の野菜が入っていて、野菜のやさしい味わいが楽しめるのが特長ですが、最初から野菜が入っていたのですか?

橋口:1972年の発売当時の配合表を見ると、じゃがいものほかは、たまねぎが入っていました。その後しばらくして、緑黄色野菜を美味しく味わっていただきたいと開発が始まりました。健康と美味しさを追求して色々な野菜を試したそうで、当時の配合表はめまぐるしく変わっています。1981年には“食べる野菜ジュース”をキャッチフレーズに掲げ、にんじんやトマト、かぼちゃ、ほうれんそう等、四季折々の野菜を生地に練り込んで発売しました。1983年には商品名を「サッポロポテト&ベジタブル」に改名しています。

1981年(左)と1983年のパッケージ

1981年(左)と1983年のパッケージ

―様々な野菜をいかに美味しく味わっていただくか、試行錯誤が続いていたのですね。

王:「サッポロポテト」の魅力は様々な野菜が入っていることですが、お客様にはそれが十分に伝わっていないのではという課題がありました。そこで、1997年に野菜の粒を加えて、見た目にも野菜が入っていることが分かるようにし、商品名も「サッポロポテト つぶつぶベジタブル」にリニューアルしました。

この時も開発には大変な苦労があったそうです。「サッポロポテト」は細いスティック形状のため、野菜の粒が大きいと生地からはみ出してしまいますし、細かすぎると見えません。粒が溶けてしまったり、均一に混ざらなかったり、生地が固くなってしまったりといった難題を乗り越え、ようやく発売にこぎつけたそうです。これまでじゃがいも一色だったスティックにカラフルな模様が加わると、折からの健康志向の中、「おやつで野菜がとれる」と大好評になりました。

1997年

1997年のパッケージ

橋口:緑黄色野菜を中心に、時代のニーズに合わせ、継続して野菜の種類や配合量を検討してきています。過去にはモロヘイヤやパセリ、大根葉を入れたこともありました。「サッポロポテト」の根底にあるのは、お子様や多くのお客様に野菜を美味しく味わっていただきたいという思いです。素材の味を大切に活かすように日々、改良を重ねています。

野菜と粒

現在の「サッポロポテト つぶつぶベジタブル」には、じゃがいもをベースに、7種の野菜が生地に練り込まれています。赤(赤ピーマンペースト、レッドビートパウダー)、緑(ほうれんそう)、オレンジ(にんじん、赤ピーマンペースト)の粒が入って見た目にも楽しい商品です。

王:2005年からは、小さなお子様のおやつにピッタリな「1才からのサッポロポテト つぶつぶベジタブル」を発売しました。この「1才からの」シリーズは、「かっぱえびせん」もありますが、「1~2歳の小さな子供にも安心して食べさせられるスナックを作って欲しい」という声から生まれました。うす味で、油を使用せず、野菜本来の色と野菜のやさしい味わいにこだわりました。小さなお子様が食べやすくつまみやすいように、一つひとつのスナックのサイズも、スナックの中の野菜のつぶつぶも小さくしているんですよ。

1才からのサッポロポテトつぶつぶベジタブルについて

「1才からのサッポロポテト つぶつぶベジタブル」

「バーべQあじ」の元祖はカレーだった!

―続いて、「サッポロポテト」の2年後(1974年2月)に発売した「サッポロポテト バーべQあじ」についてお聴きします。「バーべQ」という商品名は当時としてはユニークですよね?どのような背景で生まれたのでしょうか?

王:「サッポロポテト バーべQあじ」は、「肉を使ったスナックを作りたい」という想いから、「サッポロポテト」シリーズの第2弾商品として生まれました。チキン&ビーフをじっくり煮込んだスープを、じゃがいもベースの生地に練り込んでおり、肉の旨みがしっかりしていて、大人も楽しめる味わいなのが特長です。

“肉を練り込んだスナック”は業界初で、その素材の組み合わせから、開発当初は味材にスパイスを効かせ、カレーをイメージして作っていました。その一方で、カレーはご家庭によって味が異なるのでは?という意見もあり、当時アメリカに出張した社員が同じような材料を使ったバーべキューを見つけて「バーべQあじ」という商品名になったのです。親しみをもっていただき、覚えやすいようにあえてQだけをアルファベット表記にしました。

1974?画像(広報室より)

発売当時のパッケージ

―「サッポロポテト つぶつぶベジタブル」とは異なり、あみあみの形状が特長的ですよね。

王:既に発売していた「サッポロポテト」(つぶつぶベジタブル)と区別がつきやすいように、スティックタイプではない形状の開発が進められ、それまでにない立体的でサクサクの食感にするため、ふっくらとした四角の網目型にすることを思いついたそうです。見た目にも楽しいその形状からは、バーベキューで使う網が連想されますよね。発売当初は四角の網目型だったのですが、こわれやすかったため、発売の約2年後には網目の模様を斜めにしてコワレを防いだり、1985年には食べやすさを追求してサイズを小さくするなど改良されました。

バーべQあじ形状比較

1974年発売当時は四角の網目型(左)。のちに網目模様が現在のように斜めになりました。

―特長的な形状や食感に加え、肉を練り込む等、当時は初めてづくしのチャレンジだったのですね。

橋口:当初は生の鶏ガラをペースト状にしてじゃがいもに混ぜていましたが、鶏ガラがうまくつぶれず生産ラインのローラーに骨がささるなど、完成品が出来上がるまでは苦労の連続でした。機械の構造や生地の状態に応じて生地の供給方法を変えるなど改善を重ねたそうです。発売後もさつまいもや米胚芽、タラの骨、かぼちゃ、ピーマン等、様々な自然素材を、時代に合わせて使用してきました。当時うまく活用できずにいたじゃがいものデンプンを加えたこともあり、栄養のある食糧資源を、美味しく有効活用したいという思いは「サッポロポテト バーべQあじ」にも受け継がれています。

本物の自然素材を丸ごと使用してこだわりの美味しさを生み出す

―「未利用の食糧資源の有効活用」「自然素材を丸ごと使用する」、これらカルビーのDNAを継ぐ「サッポロポテト」シリーズなんですね。美味しさの秘密はどこにあるのでしょうか?

橋口:その美味しさは、原料に本物の素材を使っているというこだわりから生まれています。例えば、「バーべQあじ」では、単に肉のエキスを加えているのではなく、骨ごと丸々煮込んだスープを生地に練り込んでいますし、「つぶつぶベジタブル」でも本物の野菜が使われたりしています。本物素材の使用が「サッポロポテト」の発売当初からのこだわりで、原料から商品になるまで3日はかかります。工場ではとても時間をかけて努力しながら丁寧に作っているんですよ。

製造現場2枚

―そのままで食べても十分美味しいですが、最近は色々なアレンジレシピもあるようですね?

王:実は、1970年代の「サッポロポテト」のパッケージ裏面では、牛乳をかける食べ方をご提案していました。もしかしたら「昔それ、やってたよ!」という方もいらっしゃるかもしれません。

コロナ禍においては、家庭で料理を楽しむ人が増えていますが、野菜や肉といった素材を使用している「サッポロポテト」は、様々なレシピにアレンジしていただきやすい商品です。お客様が様々なレシピを発案してくださったり、SNSやテレビで紹介されて話題にもしていただいています。公式TikTok(@calbeesapporo)では、おかずの一品やおつまみ、おやつとして楽しめる様々な簡単レシピの動画を公開しています。

レシピ

チーズボールやおにぎり・クロックマダム・カリカリウインナー・クラムチャウダー等、TikTokで50種ほどのアレンジレシピを紹介しています。

築き上げてきた価値を守りつつ進化させ、長く愛されるブランドを目指す

―「サッポロポテト」シリーズのヒットにより、カルビーのじゃがいも事業の土台が構築され、後の「ポテトチップス」等、じゃがいもを使用した様々な商品開発に繋がっていきました。来年は発売から50周年を迎えます。今後、目指していくことを教えてください。

王:「サッポロポテト」は、認知率が9割と高い一方で、「お菓子と言えば?」という問いかけに対しては、「サッポロポテト」の名前を挙げていただくことが少ないのが現状です。長年愛されてきましたが、決して“懐かしい商品”ではなく、常に時代を見据えた100年ブランドを目指していきたいと思っています。SNS等を通して、これからの若い方々に響くような提案もしていきたいですね。

橋口:ロングセラーブランドとして、自然素材を丸ごと使用したこだわりの美味しさ等、これまで大切にしてきた価値を守っていきたいと思います。そのうえで、お客様のニーズや時代の変化に柔軟に対応しながら、一層長く愛されるブランドを目指して少しずつ進化させていきたいです。

現行品

「サッポロポテト」ウェブサイト
https://www.calbee.co.jp/sapporopotato/
「サッポロポテト」公式Twitterアカウント 
@CalbeeSapporoCP
「サッポロポテト」公式TikTokアカウント
@calbeesapporo



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