生産現場で自分の想いをカタチに!工場のロスと災害を減らす社内コンサルタント
“次の時代を担うのはあなた”の意を込め、2024年4月入社の新卒採用に合わせてはじまった連載「NEXT is NOW」。現場で活躍しているさまざまな社歴や職種の人財を紹介しています。
今回は、生産本部 生産管理部で活躍する慶尾直哉さんです。入社後は研修を経て、2年間新宇都宮工場でポテトチップスの製造を担当。その経験を生かし、現在は生産に関する社内コンサルタント業務を担当。これまでの仕事内容や入社したきっかけを聞きました。
原価改善や労働災害削減に取り組む
―はじめに現在の仕事内容を教えてください。
慶尾:生産本部 生産管理部で、生産に関する社内コンサルタントをしています。主な役割は生産コストを抑える原価改善と労働災害削減に向けた取り組みです。
原価改善は、工場における生産ロス削減のアイデアを出し合い、検討、実行する活動です。
労働災害削減では、年に2回、担当工場を巡回して、改善すべき箇所がないかを確認します。私は湖南工場(滋賀県)と鹿児島工場を担当しています。万が一、労働災害が起きた場合は、現場を訪問し、原因を特定して、対策を練ります。
―どんなことにやりがいを感じますか。
慶尾:特に原価改善については、結果が目に見えることにやりがいに感じます。自分のアイデアが実際の取り組みとなって形となり、大きな成果につながっていることを実感できます。
―生産管理本部への異動は希望されたのでしょうか。
慶尾:はい、自分から手を挙げました。新宇都宮工場に勤務していた時に取り組んだ、生産ロス削減活動がとても楽しかったんです。こうした取り組みをより多くの工場に広げ、もっと大きな結果につなげたいと思い、生産管理本部への異動を希望しました。
今につながる新宇都宮工場での経験
―以前の工場勤務での仕事内容を教えてください。
慶尾:生産スタッフとしてオペレーションを担当し、ポテトチップスのフライ温度の管理や、日報作成、生産終了後の清掃等を行っていました。
加えて、生産管理本部を希望したきっかけにもなった生産ロス削減活動を自ら提案し、チームで取り組みました。
―生産ロス削減活動が始まった経緯を教えてください。
慶尾:“せっかく工場にいるんだからなにかやってやろう”という思いが強かったんです。自らの業務の中で課題を探し、改善するためのアイデアをたくさん考えました。一緒に働く方との会話の中にヒントを見つけることもありました。アイデアは一つひとつ検証し、最も効果が大きいと感じた生産ロス削減活動に取り組もうと決めました。上司に提案し、チームで動きだすことになったのです。
―具体的にどのようなことに取り組んだのでしょうか。
慶尾:オプチソーターの精度改善です。オプチソーターとは、フライしたポテトチップスから、焦げなどがある不良品をはじきだす機械です。機械の識別精度を上げ、使い方をマニュアル化して工場に浸透させたことで、大きな生産ロス改善につながりました。
この活動はカルビーが年間の業績や会社の成長に貢献した従業員を毎年1回表彰する制度である「カルビーアワード」で表彰されました。チームのみなさんと取り組んだことが評価され、最高に嬉しかったです。
実現できるかわからない中でやめてしまうのは簡単ですが、あきらめずに原因を考え、深掘りし続けることが大切だったと思います。
―これからの目標を教えてください。
慶尾:まずは生産管理の仕事を一人前にできるようになって、信頼される人になりたいです。いずれはたくさんの人を巻き込んで、全社的にインパクトを与えるビッグプロジェクトを立ち上げたいです。
目の前のことに全力で取り組んで、自分がワクワクすることを見つけて
―学生時代はどんなことをしていましたか。
慶尾:大学院では研究活動を必死に頑張りました。原子や分子の運動を映像化する研究をしていたのですが、必要な知識が様々なジャンルに及び膨大だったので、猛勉強しましたね。寝袋を買って2か月研究室で過ごしたこともありました。
―なぜ食品業界を選んだのでしょうか。
慶尾:研究活動の中で、プログラミングを学び、機械の自動化に興味をもったことがきっかけです。当初は電気系の企業や自動車メーカーを考えていましたが、これらの分野はすでに自動化が進んでいます。高品質の商品を大量に生産する食品業界こそ、自動化が必要であるにも関わらず、あまり進んでいないのではないかと考えました。自分自身が活躍できる機会があるのではと考え、志望しました。
―カルビーに入社した決め手はなんでしたか。
慶尾:カルビーは主原料にばれいしょを使っています。ばれいしょのサイズは大きかったり小さかったりバラバラなので、加工が難しく、自動化が難しいのではないかと思いました。そんな難しさがあるからこそ、伸びしろがあると思いました。
面接で自分自身が思っていることを素直に話せたことも大きかったです。この会社なら自分がやりたいことに挑戦できる!と熱い気持ちになったことを思いだします。
―カルビーはどんな会社でしょうか。
慶尾:温かい人が多い会社だと思います。困ったときには、親身になってどうすればいいか一緒に考えてくれる人がいます。また、若造の発言であっても、しっかりと耳を傾けてくれます。
―学生のみなさんに向けて一言お願いします。
慶尾:学生時代は、自分がドキドキ、ワクワクすることがどんなことなのか、自分の中で目星をつけて、理解をしていくことが大切だと思います。私の場合は、新しい知見を広げていくことにとてもワクワクするので、工場でもその気持ちを自覚しながら前に進むことができました。そのために、今やるべきこと・やりたいことに本気で取り組むことが大切だと思います。めいっぱい頑張ってめいっぱい楽しみ、その中で自分の感情を振り返ってみてください。
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文:瀧澤 彩
写真:町田 有希