カルビーの製造現場の要望を形にするエンジニアリングの仕事
“次の時代を担うのはあなた”の意を込め、新卒採用に合わせて不定期連載している「NEXT is NOW」。現場で活躍しているさまざまな社歴や職種の人財を紹介しています。
今回は、技術本部 エンジニアリング統括部で活躍する谷口森太さんです。現在は工場の生産設備の設計から設置工事、試運転立ち上げまでを担当しています。学生時代や仕事の中で挑戦したこと、現在の仕事に活かしている経験、今後のキャリアについて話を聞きました。
設計したものが形になり稼働する楽しさ
―まずは、現在の仕事内容を教えてください。
谷口:私が所属しているエンジニアリング統括部は、生産設備のレイアウトをつくっています。具体的には、機械の仕様をパートナー会社と決めて設計し、工場に設備を設置します。特定の商品アイテムに絞らないため、初めて携わる設備が多く、一から勉強しています。
直近では、湖南工場(滋賀県)の第二じゃがりこ棟の建設工事に携わりました。まずは、既存の工場に行って工程をすべて調べ、現場の人に話を聞いて、製造ラインの特性を把握します。湖南工場の場合は、1年以上前から設計に取りかかり、半年ほど前から同時進行で、現場の方にヒアリングして準備を進めました。
―時間をかけて進めていくのですね。やりがいは何でしょうか?
谷口:長い時間をかけて設計した機械が、実際に動いて商品を製造しているのを見ると一番嬉しいです。考えていたものが形になることにやりがいを感じます。
設備を入れたら終わりではなく、現場から困りごとや不具合を聞き解決していくのも仕事です。稼働していく上で見えてくる問題点があるので、設置してから改善するのに数カ月かかることもあります。うまくいったときは、現場の皆さんから感謝されるので良かったなと思います。
また、予算管理からスケジュール進捗管理、パートナー会社の選定、自分で設計した機械のアフターフォローまで任されています。定型業務はなく、自由にやれる良さがあります。
時間管理を大切にし、専門分野の知識を底上げしたい
―仕事の中で挑戦したことはありますか?
谷口:今の仕事はほとんど初めてのことばかりなので、すべてが挑戦です。たとえば、働いている人が現在の製造設備に対して持っている不満を解消できる設計を事前に組み込んでいます。しかし、必ずしも成功するとは限らないので、改善要望を聞いて、設計変更するときは大きな挑戦です。簡単にできるものでもないし、失敗すると現場や会社に対して大きなダメージになるのでとても気をつかいます。
最近では、4トンほどもある大きな設備を新しく建屋に入れるときに、そのままの向きでは入らなくて、外で90度寝かせて搬入。屋内に入れてから引き起こして設置しました。とてもヒヤヒヤしましたが、何とか入ったので良かったです。
―成長につながる出来事はありましたか?
谷口:工事中は機械の搬入だったり、パートナー会社さんの対応をしたり、工場の現場の要望を聞いたりと、とにかく忙しくなります。決められた時間の中で素早く状況整理と設計、製図、制作や工事手配をしているときは、成長につながっていると感じます。
大きな工事になると搬入期間が1~2カ月あるので、その期間はかなり忙しいです。設備を据えるだけでは動かないので、電気や水・エアーの配管も通さないといけません。期間中は設置する工場の現場に入って、数十社のパートナー会社や現場メンバーと仕事を進めていきます。機械によってそれぞれ関係者が異なるので、同時進行で進めないと時間が足りないです。前述の湖南工場のじゃがりこ棟建設工事では、技術本部全体の約半数の7名で対応していました。それだけ、新しく工場を建てるということは大掛かりなんです。
―仕事をするうえで大切にしていることは何ですか?
谷口:タイムマネジメントが大事だと思います。熟考する必要がある設計などに時間をかけられるよう、優先順位を付けて効率的に仕事をすることが大切です。プライベートでは3歳の娘がいるので、保育園へのお迎えや育児をしています。好きなだけ残業ができるわけではないので、より時間を気にしながら仕事するようにしています。
今、娘が自転車に夢中なので、休みの日は公園に遊びに行くことが多いです。娘が生まれる前は、サッカーや釣りに行っていました。アウトドアが好きで、栃木県には山もたくさんあるので、キャンプもよく行きました。
―今後どんな自分になりたいですか?
谷口:今の仕事のレベルをどんどん上げたいと思っています。この仕事は機械系や電気系・配管などいろいろな専門分野があるので、各分野を高めていきたいと思っています。何十年かけても学ぶことはあると思います。電気が強い人、機械が強い人などベテランの方は強い分野を持っています。いずれは、自分も得意分野を身につけたいですが、今は幅広く勉強しています。
人間関係や礼儀を身につけた学生時代
―学生時代に挑戦したことはなんですか?
谷口:寿司屋でのアルバイトです。高校1年から大学卒業までの7年間やりました。厨房に立って魚をおろしたり、握ったりと板前のようなことをしていました。他にも、調理師免許を持っていたので、飲食店のアルバイトも掛け持ちしてやっていました。
また、小学生からサッカーを続けていたので、最低限の上下関係や礼儀を身につけることができたと思っています。
―就職活動について教えてください。大事にしていたことはありますか?
谷口:学科としては、機械電気系のメーカーに進む人が多かったですが、私は飲食が好きなので、食品業界を中心に就職活動していました。
面接のときは、その場の雰囲気に合った受け答えができるよう、面接官や場の空気をよく観察していました。例えば、集団面接で長く話している人がいたときは、自分は簡潔に話すなど心がけました。面接で緊張するタイプではないので、落ち着いて話すことができました。
カルビーは印象が良い人が多く、面接官も話をよく聞いてくださいました。当時は、総合職採用だったので、いろんな道に行きやすいのも魅力的でした。機械系で入社すると、その道しか選択できない会社もある中、カルビーは職種の選択肢が広かったです。
―どんな方に入社して欲しいですか?
谷口:機械や工事現場の雰囲気が好きな人は向いていると思いますが、専門知識がなくても、興味や意欲があれば良いと思います。必要だと思う分野の研修を受けさせてもらえるので、入社してから、業務に必要なスキルを身につけることができます。私は最初に工場に配属されたので、設備を多く触ることができました。ホームになる工場があると心強いので、工場勤務を経験して良かったと思っています。
要望を形にする仕事なので、工場の方と上手にやり取りできる人が良いです。そのため、コミュニケーション力が大事だと思います。
■これまでのNEXT is NOWの記事はマガジンにまとめています!
文・写真:町田 有希