カルビーがオフィスで使う文具、その理由
カルビーのオフィスでは、会社や家庭で使われる定番中の定番のあの文具を見かけません。それには…「へぇ~なるほど~」な理由があるんです。
そんな“カルビー文具”について、ご紹介します。
❚ カルビー文具~オフィス編~
「Wクリップ・金属製クリップ」
定番の文具ですが、カルビーでは「ホチキス(ステープラー)」や「ゼムクリップ」を使わない代わりに「Wクリップ」や「金属製クリップ」を使用しています。
「色つき/ロゴ入りセロハンテープ」
何かを貼り付けたり、封緘するのに登場するのが「セロハンテープ」。
これもカルビーでは一般的な「透明セロハンテープ」ではなく、「白や赤、青、白地にCalbeeロゴ入りのテープ」を使っています。
「色つき輪ゴム」
何かと便利な「輪ゴム」。最近はカラフルな色がたくさんありますが、カルビーでは以前から「色つき輪ゴム」を使っています。
❚ なぜ?どんな理由があるの?
その理由や経緯を品質保証本部 加籠六 孝一さんに教えてもらいました。
加籠六:工場では以前から、異物混入を防ぐためにあらゆる対策を講じてきました。文具などの事務用具も細かなルールがあります。そんな努力に対して、工場とモノやヒトでつながるオフィスの従業員も一緒に取り組んでいこうと定めたのが“オフィスでの禁止文具”です。
紙の資料をまとめる際に「ホチキス(ステープラー)」は使わない(*)としているのは、使用すれば膨大な数になり、万が一細い針が混入した場合、見つけにくいからです。衣服にもつきやすいです。同じ理由で「ゼムクリップ」も使わないとしています。
*近年、社外資料で使用せざるを得ない案件には補則ルール追記で対応。
ポテトチップスなどスナック菓子の色と似ている着色のない「輪ゴム」や「透明のセロハンテープ」、「虫ピン」、「画びょう」なども同様です。
加籠六:2000年代初頭は、食をめぐる大きな事件・事故があり、食の安全・安心がより注目されていました。カルビーでも異物混入のご指摘に対して、その異物がどこで混入したかをしっかり説明する必要がありました。その事実を受け止め改善したルールのひとつが“工場の持ち込み可能品”と“オフィスでの使用禁止文具”です。
異物混入を未然に防ぐだけでなく、万が一異物混入があった際、どこで混入したのかその経路を確認しやすくなります。
近年は紙資料も減少傾向、その代わりに新しい文具や道具が増えています。また“使用禁止文具”という表現もネガティブですので、“使用可能品リスト”としてオフィス・工場ともに更新していきたいですね。
❚ カルビー文具~工場編~
オフィスで使う文具の他に工場の備品、生産現場に持ち込み可能品の一例をご紹介します。
「でん粉でできた つまようじ」
広島西工場で使用している「つまようじ」。見た目がプラスティック製のように見えますが、でん粉でできています(写真上。写真下は一般的な木製のもの)。使用理由は「つまようじ」混入のご指摘をいただいた際、混入経路が特定しやすいことからです。
「青色の絆創膏/ブルーバンテージ」
工場で使用する「青色の絆創膏」。万が一生産現場で剥がれた時、わかりやすい色と金属が織り込まれているため金属検出機で除去することが可能です。工場では使用前後の枚数も記録しています。
「金属製ボールペン」
工場の生産現場には、筆記用具も指定の「金属製ボールペン」しか持ち込めません。
キャップが落ちる心配のない回転ノック式のボールペンです。管理番号が刻印されています。
以上、カルビーの社内ルールをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事公開の3月~4月は新年度もあり、文具や身の回りの物を新しくする方も多いと思います。“カルビー文具”の視点で眺めてみるとおもしろい発見があるかもしれません!
文・写真/伊藤奈美子