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カルビーの海外事業につながった物流の仕事

“次の時代を担うのはあなた”の意を込め、2024年4月入社の新卒採用に合わせてはじまった連載「NEXT is NOW」。現場で活躍しているさまざまな社歴や職種の人財を紹介しています。
 
今回は、グローバルブランディンググループ SCM Unitで活躍する菅野有紗さんです。現在は国内で生産した商品の輸出や、海外グループ会社で使用する原材料の発注を行っています。物流時代の仕事内容ややりがい、現在の部署に生かせている経験、今後のキャリアについて話を聞きました。

菅野 有紗(すがの ありさ)
カルビー株式会社
オーバーシーズカンパニー グローバルブランディンググループ SCM Unit オペレーションTeam
2017年4月新卒入社。国際社会学部専攻卒。
埼玉県東松山市の物流センターにて東日本の「ポテトチップス」の物流に従事。2020年4月より現職。趣味は美味しいお店(最近はスイーツ)と美術館巡り。

交渉力が重要な物流業務

―まずは、物流時代の仕事内容を教えてください。

菅野:私が所属していた東松山の物流センターでは、東日本エリアの注文数を予測して生産計画を立てる需給担当業務と、東松山の工場で使用する原材料を発注する業務、また顧客からの注文を受ける受注担当業務がありました。その中で私は、「ポテトチップス」需給担当と「ポテトチップス」と「堅あげポテト」原材料発注担当をしていました。宇都宮の物流課にも「ポテトチップス」の需給担当はいるので、手分けをしながら東日本エリアの受注を見ていました。
 
商品の受注状況によって生産計画を毎日調整しているため、原材料の納品計画もあわせて調整しています。需給担当としては生産計画を立てる火曜日が忙しく、原材料発注担当としては支払処理をする月末月初が忙しいです。
 
―最初に物流に配属されていますが、それは希望されたのですか?

菅野:2017年当時、文系は営業職かその他総合職を選択するようになっていました。ゆくゆくは海外事業に携わりたいと思っていて、内定後に先輩社員や人事の方に相談すると、複数の方に「事業の全体像がわかるので、物流をやると良い」と勧められました。そこで、海外を見据えたファーストステップとして物流の仕事をしたいと思いました。会社側には、その他総合職の中でも物流をやりたいと伝えました。

話をしている菅野さん

―先を見据えて物流を選択されましたが、どのようなやりがいがありましたか?

菅野:サプライチェーン(原材料の調達から販売に至るまでの一連の流れ)はメーカーの重要な土台の部分だと思っています。川上から川下までの広い範囲で携わることにやりがいを感じました。多くの関係部署や取引先と協力しながら仕事を進めていくことが魅力でした。
 
需給担当は需要予測の精度が高いことや最適な生産計画を立てることも大事ですが、意外と交渉する力が重要だと思っています。工場や営業と交渉することが多い部署です。物流は安定して商品を供給することが大前提なため、トラブルがないことが一番です。安定供給のため、入社一年目で先輩たちと対等に交渉するのは難しく、今思うとチャレンジでした
 
―物流時代の印象的な出来事はありましたか?

菅野:工場で一日に2,000ケース生産する予定の商品が、実際には20ケースしかできず、翌日に実績を見て驚愕したことがありました。すぐに工場担当者に連絡し、今後はトラブルが判明した時点ですぐに相談して欲しいと伝え、理解いただけました。当時は新人だったので少し遠慮していましたが、はっきり意見を伝えたことで、信頼関係を築けた実感がありました。それからは、工場とより緊密な連携がとれるようになりました。

物流時代の地域貢献イベントの様子
物流時代の地域貢献イベントの様子

―物流時代に大切にしていたことはありますか?

菅野:状況に応じて柔軟に対応することを大切にしていました。需要予測のブレだけでなく、外的要因で常に需給は変動します。例えば自然災害で原材料が工場に届かなかったり、設備のトラブルなどで計画通りに生産できなかったり、注文が急になくなったりすることも多々あります。一週間前に最適だと思っていた判断が、一週間後ではそうではなくなるということが起きます。状況の変化に応じてその時々で最適な判断をすることが求められていました。
 
今の部署では輸出手配をするのですが、事前に複数の選択肢を用意して柔軟に対応できるようにしています。

物流時代の一日のスケジュール
物流時代の一日のスケジュール

今の部署にも通じる物流時代に培われた経験

―今の業務についても教えてください

菅野:オーバーシーズカンパニーは、カルビーブランドを世界に広げていく部門で、中でもSCM(supply chain management)Unitは日本で作ったカルビー商品を海外に届けるチームです。私は、台湾のお客様に「Jagabee」や「フルグラ®」などカルビー商品を輸出する仕事や、海外グループ会社で使用する原材料や設備を日本で購入して現地に送る仕事をしています。


台湾輸出商品の一部:2023年4月現在
台湾輸出商品の一部:2023年4月現在

設備など輸出するときに、物流で得た知識を活用していますし、原材料の輸出にはまさに物流時代の経験が役立っています。原材料や設備は、船の手配を行う会社の倉庫に納品してもらい、コンテナに積んで海外に輸送しています。一連の業務を進めるうえで、物流時代の知識が生きています。
 
サプライチェーンの川上から川下まで理解していることが、アドバンテージになっていると感じています。海外向けの商品を作っている工場の物流とやりとりをする際には、物流の業務を理解しているので話が早いです。物流を経験していて良かったなと思います。

笑顔で話す菅野さん

―今の部署で大変なところや仕事のやりがいを教えてください。

菅野:コロナ下で今の部署に異動したのが大変でした。物流の知識はありましたが、貿易の知識がない中、出社制限もあり先輩に直接すぐ質問できる環境ではなかったからです。それでも、上司には勉強する時間を確保してもらったり、先輩たちにオンラインでも助けていただいたおかげで、何とかなりました。また、勉強した内容を定着させ仕事に使えるように、貿易実務の検定を取得しました。

仕事をしている様子の菅野さん

設備の発注業務は、直接現地のスタッフと英語でメールのやり取りすることがほとんどです。月並みですが、先方の期待以上の仕事ができたときに感謝されると嬉しいですね。日本だけでなく海外のグループ会社との接点を持てることが魅力です。
 
―当初の目的である海外事業に携わっていますが、今後の目標を教えてください。

菅野:引き続き海外事業には関わり事業拡大に貢献したいと思っています。日本ではカルビーはよく知られていますが、知名度が低い国もたくさんあります。カルビーの商品をもっと世界に広げていきたいと思います。そのためにSCMだけでなくマーケティングや財務の知識や経験を積んで、将来的には海外事業戦略の立案に携わりたいと思っています。

オーバーシーズカンパニーの一日のスケジュール
オーバーシーズカンパニーの一日のスケジュール

海外で視野を広げた学生時代

―学生時代はどんなことを頑張りましたか。

菅野:国際貢献サークルに所属していました。バイトと学業とサークル活動の両立は大変で、タイムマネジメントのスキルが付いたかなと思います。サークルではアフリカの子供たちに給食費を寄付する活動を行っていました。学生を巻き込む企画をやったことで、寄付活動自体の認知度を上げることが出来ました。
 
―カルビーに入社したきっかけは何でしょうか。

菅野:学生のころから海外に関わる仕事がしたいと思っていました。また、食べることが好きなので、海外事業に力を入れていて、お酒かお菓子を扱っている企業を中心に就職活動をしていました。就職活動中は、自分を理解することに時間をかけました。おかげで自分の価値観ややりたいこと、パーソナリティーが明確になり、周囲と比べずに自信を持って臨めました。
 
他の方も話していましたが、私もカルビーに対して温かい良い雰囲気を感じました。穏やかな方が多くて、とても好印象でした。また、自分が仲間になるイメージがしやすかったこともカルビーを選択した決め手になりました。
 
―最後に学生のみなさんへメッセージをお願いします。

菅野:学生時代にやりたいことをやってほしいなと思います。私は交換留学をしたり、海外旅行にたくさん行ったりしました。いろいろな文化に触れることができ、良かったと思います。

留学の様子:モロッコのマラケシュ
留学の様子:モロッコのマラケシュ

就活中は気が滅入ることもあると思いますが、気持ちの切り替えが大切です。選考に落ちた時は「その会社とは縁が無かっただけ」と割り切っていいと思います。焦らずに、自信を持って頑張ってください。

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文:町田 有希
写真:櫛引 亮

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