世界の多様な価値観と向き合い“やめられない、とまらない♪”を広める!欧米の「かっぱえびせん」担当
“次の時代を担うのはあなた”の意を込め、新卒採用に合わせて不定期連載している「NEXT is NOW」。現場で活躍しているさまざまな社歴や職種の人財を紹介しています。
今回は、海外マーケティングを担当する山下菜穂子さんです。欧米ブランディングチームで「かっぱえびせん」を担当する山下さんに、仕事内容やこだわり、カルビーに入社したきっかけなどを聞きました。
いろんな国・地域の人と関われることが大きな魅力
―まずは、いまの仕事内容を教えてください。
山下:海外チームは管轄地域で大きく欧米とアジア・オセアニアの2つに分かれていて、私は欧米チームで「かっぱえびせん」を担当しています。「かっぱえびせん」は日本・米国・中国・香港・台湾・シンガポール・タイ・オーストラリアなどで販売しています。欧米といっても米国がメインですが、ヨーロッパ進出も模索しています。
―米国の「かっぱえびせん」担当は具体的にどんなことをしているのでしょうか。
山下:「かっぱえびせん」の価値を伝えるための戦略立案や新商品の企画、お客様への調査設計サポートなどをしています。実は「かっぱえびせん」の米国での歴史は長く、1967年からアメリカへの輸出が始まったのです。 ただ、日本と比べると、米国内での知名度はまだまだ低いのが課題です。
―歴史があっても、なかなか知名度は上がっていないのですね。
山下:原因の1つは、これまで「かっぱえびせん」を陳列していた場所が、主にアジア系スーパーの棚に限られていたことです。ただ、近年徐々にメインストリームの大型スーパーへの導入が広がってきているので、この勢いにどんどん乗っていきたいです。
あとは、パッケージが何十年も前から変わっていないことも課題です。2023年に米国で行った定性・定量調査ではお客様から「Not appealing」(魅力的でない)、「Old-fashioned」(古臭い)など厳しい声をいただきました。そこでパッケージのアップデートや、大型スーパーでの取り扱いを増やそうとしています。
―確かに、日本の「かっぱえびせん」と米国ではずいぶん違うパッケージですね。
山下:米国では、えびのイラストがリアルすぎると「食欲がわかない」「生々しすぎる」など、お客様の感覚が違うんです。
そういった点も踏まえながら、現在パッケージのアップデートを検討中です。米国で販売している「かっぱえびせん」はタイの工場で製造しているので、タイの担当者と製造面の調整をしつつ、日本のブランド担当者、米国のマーケティング担当者らと話しながら、「かっぱえびせん」の価値を伝えつつ、より現地の方々に手に取ってもらえるデザインを目指しています。
―米国の戦略といってもさまざまな国・地域の従業員が関わっているんですね。
山下:いろんな国・地域の人を巻き込みながら、プロジェクトを進められるのが、この仕事の大きな魅力です。異動する前は、日本の海外担当者は現地のサポート的な仕事が多いのかなと思っていました。実際には想像以上にリードすることができています。各国・地域や会社、担当者によって、それぞれ考え方が違うことがあるので、どこまでお互いの意向を取り入れていくのか、さじ加減が難しいときがありますが、面白いですね。
―多様な価値観がありそうですね。欧米は時差も大きそうです。
山下:私は日本の時間に沿って仕事をしていますが、カルビーアメリカのあるカリフォルニア州だと時差が17時間あって、朝イチでミーティングが必要な時もあります。あと、海外出張もありますね。2023年は5回ほど、アメリカやタイに行き、現地の工場や市場の視察、現地チームとのディスカッション、ワークショップなどをしました。やはり直接見て、聞いて、意見を交わすのは大切ですね。
―今後の目標はありますか。
山下:まずは「かっぱえびせん」を欧米に定着させていくことです。その次のステップとしては、かっぱえびせんで培ったカルビー独自の技術を活用し、より現地にローカライズした新商品を作り上げたいと考えています。
カルビーは世界で通用する技術を持ち合わせているので、それらを活用し、現地に合わせたブランディング・中身のブラッシュアップをしていけば、海外で広く受け入れられると信じています。
ゼロから仕組みづくりを経験したカンボジア
―これまでの仕事で挑戦した、印象に残っているエピソードはありますか?
山下:入社4年目に、カンボジアでの社会人海外インターンプログラムに手を挙げたことですね。首都・プノンペンにある日系デパートの食品部門で1年間、日本食輸入業務の仕組化やスイーツコーナーの立ち上げなどをしました。カンボジア語(クメール語)と英語を使って、ゼロから仕組みづくりを経験できたのは自信につながっています。
―聞いただけで大変そうですね。
山下:まず、現地スタッフが何をできて、何ができないのかがわからなかったので大変でした。簡単な計算など、日本人であれば当たり前に感じることも現地スタッフができなかったり。最初は思った通りにいかなくて「ここに自分がいていいのか。本当に役にたっているのか?」と、悩みました。トライ&エラーを繰り返しながら、周囲を巻き込めるようになり、最終的に理想とする仕組みをつくることができました。この経験で、粘り強くなれた気がします。
―現在は海外トレーニー制度として1~2年程、海外赴任するチャンスもありますが、こういった経験は大きいですね。インターンを志願した理由はなんでしょうか。
山下:学生時代からカンボジアが大好きで、いつか働いてみたいと思っていたんです。そんな時にインターンの募集があり、迷わず志願しました。
カンボジアに初めて行ったのは大学1年のときです。姉に連れて行ってもらって、ストリートチルドレンを見て、日本とのギャップに衝撃を受けました。それから「自分も彼らのために何かしたい」と思って友人と学生団体を立ち上げました。シェムリアップのスラム街に日本語の語学学校があって、そこで年に2回、1か月ほど滞在して、授業のサポートをしたりしました。カンボジアはまさに第二の故郷ですね。
ワクワクする軸を見つけてつらぬいた就活
―では、海外部門はもともと希望していたんですか。
山下:入社時からずっと希望していて、異動を待ちわびていました(笑)。結果的に、これまで経験した物流や、国内でのマーケティング、商品企画の経験がいまの業務にしっかりと活きているので良かったです。
―念願の仕事につけたわけですね。就活で大事にしていたことはありますか。
山下:“これから海外に力を入れていく企業”を選びました。特にカルビーが“日本ではスナックのシェアNo.1だけど、世界では挑戦者”という方向性にひかれました。あと、先輩社員との座談会に参加した際、会社の雰囲気がすごく自分にあっているなと思ったのも決め手でしたね。
―最後に学生の方々にメッセージをいただけますか。
山下:就活では、色々と理屈で考えながら会社を選ぶよりも自分がワクワクした会社を選ぶのが良いと思います。私の場合は、自分は何が好きか?を考えたときに、海外の人と関わっているときや、異なるカルチャーを感じているときだったので、“海外に携わる”、この軸を大切にして、そこがブレないようにしました。ぜひ、みなさんもワクワクを大事に、就活を楽しんでください!
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文・写真:櫛引 亮