実況生中継!カルビー清原工場「オンライン工場見学」の舞台裏
カルビーでは、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、2020年2月より中止している工場見学をオンラインに切り替えて、2020年11月より清原工場と北海道工場で先行実施。現在は広島工場も加わり、3工場で「オンライン工場見学」を実施しています。
今回は、「工場見学の中止が決まった当時の心境」から「『オンライン工場見学』立ち上げに至るまでの経緯」「『オンライン工場見学』を実施して気づけたこと」「カルビーの工場見学は今後どうなるのか」など、カルビー清原工場「オンライン工場見学」の舞台裏に迫ります。現場の最前線で活躍する、清原工場 生産支援課 工場見学チームの上野純子さん・阿久津美紀さん・齊藤彩香さん・早川莉奈子さんと、この4人を縁の下で支える清原工場 生産支援課の川又美紀さんに語ってもらいました。
(写真左から川又さん、齊藤さん、早川さん、阿久津さん、上野さん)
カルビー清原工場「オンライン工場見学」のいま
― 清原工場で「オンライン工場見学」を開始して、約半年が経ちました。ご参加いただいたお客さまの反応をお聞かせいただけますか。
早川:カルビー清原工場「オンライン工場見学」には、様々な学校の子供たちや一般のお客さまを中心に、これまで2,500名を超えるお客さまにご参加いただいております。ご参加いただいたお客さまからは「楽しかった」「カルビーをさらに好きになりました」といった嬉しいお声やお手紙をいただいております。
― リアルの工場見学に負けないくらい、参加者の皆さまからご好評をいただいているんですね。いま現場の最前線で活躍されている4人はどのような体制で「オンライン工場見学」を運営しているのでしょうか。
上野:役回りとしては、「スタジオ(司会進行)」「リポーター(工場内の現場リポート)」「リポーターの補助」「撮影」の4つがあるのですが、今後の人財育成の観点からも4人がそれぞれの役を担えるようにローテーションしています。なので、回に応じて、人それぞれの個性が楽しめるのも、カルビー清原工場「オンライン工場見学」の特徴ですね。
工場見学の中止が決まった当時の心境、そして葛藤の日々
― 少し時間を遡って、2020年2月に新型コロナウィルス感染拡大防止のため、工場見学の中止が決まった当時の心境を振り返っていただけますか。
阿久津:中止の一報を受けた時は「工場見学ができなくなってしまうんだ、、、」という驚きがありました。ただ、中止が決まった日の翌日以降もすでに多くのご予約をいただいていたため、すぐにお客さまへ中止のご連絡をしなければいけませんでした。中止の旨を電話でお伝えした際、お客さまから「楽しみにしていたのに残念です」「どうしても中止なんでしょうか」といったお声をたくさんいただき、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになったことを今でも鮮明に覚えています。
― いままで当たり前のようにできていたことが、明日から急にできなくなってしまう。まさにそんな状況だったんですね。そこから、どのような経緯で「オンライン工場見学」をやってみようという話になったのでしょうか。
上野:当初はここまで長く中止しなければならない状況が続くとは思っていなかったこともあり、すぐに「オンライン工場見学」を検討したわけではありませんでした。それよりも「ソーシャルディスタンスをどう保てば再開できるか」「少人数で実施する形はとれないか」「中止している間に見学通路をキレイにしておこう」など、リアルの工場見学の再開に向けた議論をずっとしていました。現場サイドではリアルの工場見学への思いやこだわりが強く、やはり実際に工場へお越しいただいて、五感で感じていただくことが工場見学の醍醐味と思っていたこともあり、オンラインの可能性を検討するまでには至りませんでした。
すべてが初めてのことだらけ・・・「オンライン工場見学」立ち上げまでの奮闘記
― 「オンライン工場見学」を検討するきっかけは何だったのでしょうか。
上野:「オンライン工場見学」を検討するきっかけになったのは、カルビーが毎年夏休みに、従業員の家族向けに実施している「ファミリーデー」というイベントでした。従来の「ファミリーデー」はカルビー本社に、従業員の家族が集まり、様々なイベントを実施するのですが、2020年の「ファミリーデー」はすべてオンライン開催ということになりました。そこで企画の1つとして、「工場見学をオンラインで体験できる場を作れないか」というアイデアが本社から挙がってきたんです。
川又:ここから「オンライン工場見学」の立ち上げに向けた準備が始まるのですが、いちばん苦労したのは、現場の工場見学メンバーです。とにかく、すべてが初めてのことだらけ。オンライン配信をする上でツールとしては何が必要なのか、工場内のネットワーク環境は大丈夫なのか、製造工程で社外秘にしている箇所の確認、プログラム構成や適切な時間などを、関連部署の皆さんと打合せやテストを重ねながら、1ヶ月もない期間で準備を進めていきました。そんな初めてづくしのなか、リアルの工場見学は中止期間が延長となり、ご予約いただいていたお客さまへ中止のご連絡も同時並行、現場のメンバーは気持ちのコントロールが大変だったと思います。
上野:大変でしたけど、工場や関連部署の皆さんにご協力・ご支援をいただきながら、何でも意見を言い合える現場のメンバーと、お客さまのためにひとつの目標に向かって頑張ることができたのはとても心強かったですね。
オンライン取材のひとコマ。終始笑顔の絶えない取材となりました。
― 試行錯誤しながらも「ファミリーデー」を皮切りに、「オンライン工場見学」を実施することになりました。手応えはどうだったのでしょうか。
上野:まずは中止により、リアルの工場見学に参加できなくなってしまった近隣の小学校から先行して実施させていただきました。わたしたちが伝えたい思いはリアルの工場見学じゃないと伝えきれないのではと不安を抱えていましたが、実際オンラインでやってみたところ、参加いただいた学校の先生や子供たちから想定以上に嬉しい反響をいただくことができたんです。学校の先生からは「オンラインという形でも実施いただいたことに感謝しています」「子供たちの笑顔がたくさん見れました」という感謝のお声をいただきました。また「オンライン工場見学」のご案内をした際は「心待ちにしてました」というお声も多くいただきました。おそらくこれは、単に「オンライン工場見学」のご案内ができたということだけではなく、カルビーがフードコミュニケーションの一環として、長年、工場見学を実施して、地域のファンの皆さまと大切に築き上げてきた信頼関係があったから頂戴できたお声であると感じています。
ライブにこだわる!手作りにこだわる!THEカルビー清原工場「オンライン工場見学」
― 「オンライン工場見学」も回を重ねるごとに、どんどんバージョンアップしていますね。カルビー清原工場「オンライン工場見学」ならではのこだわりポイントもお聞かせいただけますか。
齊藤:カルビー清原工場「オンライン工場見学」は「ライブ」と「手作り」にとことんこだわっています。「オンライン工場見学」を始めるにあたり、どうすればまるで工場へお迎えした時と同じような体験をお客さまへお届けできるかを常に考えていました。お客さまにオンラインでもお楽しみいただけるよう、リアルの工場見学ではできないような“オンラインならではの付加価値”を提供したいと、辿りついた答えのひとつが「ライブ」でした。たとえば、リアルの工場見学では見学通路から製造工程を見ていただくのですが、「オンライン工場見学」では見学通路からはお見せできないところまでカメラが潜入して、より間近で製造工程をお見せできるようなプログラムを設けています。プログラムは実施する日や時間帯によって、製造している商品や製造現場で働く従業員も違います。そうした毎日のちょっとした変化も含めて、リアルな現場をライブでお届けできるよう、心掛けています。
阿久津:リポートでも「いまフルグラの製造現場では、とても甘くておいしそうな香りが広がっています」とひと言、付け加えることで、お客さまには実際その香りを届けられなくても、その場にいるような気分になっていただけたら嬉しいなと思いながらコメントを考えています。また、工場内の、実際の音の大きさも体感していただいたりすることで、ご参加いただいている皆さまの五感を少しでも刺激するような工夫を取り入れています。
齊藤:ライブであれば、お客さまからコメントをいただいたり、画面越しに手を振っていただけたら、その場でコミュニケーションをとることができます。工場のリアル感を伝える意味でも、お客さまとのコミュニケーションという点でも、ライブだからこそ提供できる価値があると思っています。
早川:小学生の子供たちですと、オンラインのほうがより素の反応を見せてくれることもあります。対面だと少し照れてしまう子でも、オンラインだとより素直なリアクションをしてくれる。その場合は、こちらもそのリアクションに対して、臨機応変に対応するようにしています。こういうコミュニケーションもオンラインならでは、と感じています。
齊藤:このようなお客さまとのコミュニケーションは、やはり工場で日々仕事をしている従業員だからこそできるものだと思うんです。だから撮影技術とかは多少不慣れなところがあったとしても、自分たちの手で作り上げてお届けしたいなと思っています。
リアルの工場見学への思いは捨てていない。カルビーの工場見学は今後どう進化していくのか
― 最後に今後のカルビーの工場見学の展望について、お聞かせください。
上野:わたしたちは、リアルの工場見学への思いは今も捨てていません。なので、また皆さまを工場へお迎えできる日をずっと心待ちにしています。今後はリアルとオンライン、お客さまのご要望に応じて、どちらでも参加できる環境を整えていけるといいなと思っています。さらに「オンライン工場見学」で良かった点は、リアルの工場見学に取り入れていきたいと思いますし、逆もまた然りです。まさにリアルとオンラインの融合により、お客さまの五感をより刺激できるような工場見学を実現していきたいと思っています。
阿久津:私なりに大切にしていること。それは「チームの連携」です。清原工場の工場見学メンバーは、本当にチームワークが良いので、この雰囲気をこれからも大切にしていきたいですね。
齊藤&早川:私たちは2020年9月入社で、実はまだリアルの工場見学でお客さまをご案内した経験がないんです。だからリアルの工場見学が再開したら、ぜひそこでも熱い思いを皆さまにお届けしたいです!!
川又:カルビーの工場見学は、フードコミュニケーションの大きな柱であり、これからもたくさんの方々に体験していただきたいと願っています。カルビーの工場見学を体験したお子さんが、将来、大人になったときに「カルビーで働きたい」と思ってくれて、一緒に仕事をできる機会があったらこんなに嬉しいことはないですね。
上野:わたしたちは工場見学を通じて、工場で多くの従業員が携わって製造しているカルビー商品の良さをきちんと伝える使命があります。
川又:「お客さまを工場へお迎えしたい」という熱い思いは、リアルでもオンラインでも変わらないです。“見せる”だけでなく、“魅せる”工場見学をぜひ体験してください。
カルビーの「オンライン工場見学」を体験してみたい方は、ぜひこちらからご参加をお待ちしております。
https://www.calbee.co.jp/factory/
今回ご紹介した、カルビー清原工場「オンライン工場見学」の舞台裏はいかがでしたでしょうか。記事を通して、工場見学に込められた思いをお届けできていたら嬉しいです。