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今、男性が育休をとる理由~社会人20年目にして7カ月半育児休業をとった男性の話~

先月、男性が妻の出産直後に計4週間取得できる「出生時育児休業」の導入を盛り込んだ改正育児・介護休業法が国会で成立し、いま「男性の育児休業」に注目が集まっています。もともと日本の育児休業制度は、内容の充実度では世界トップクラスといわれる一方で、実際には男性の取得率は7.48%(厚生労働省、2019年度)。なかなか進んでいないのが現状です。

今回お話を聞く情報システム本部の井原史晶さんも、第1子、第2子の誕生時には長期間会社を休むことなど想像もつかなかったそうです。そんな井原さんが第3子の誕生を機に7カ月半にわたり育児休業を取得した理由、そして復職した今思うことをインタビューしました。

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井原 史晶(いはら ふみあき)
カルビー株式会社 情報システム本部 システム企画部 システム企画課
前職でシステムコンサルタントを経て、2017年入社。2019年1月に第3子となる女児の誕生を機に、2019年11月~2020年5月中旬まで育児休業を取得。

一度きりの人生で後悔したくない

井原さんが育児休業を取得した大きな理由の1つとして、現在19歳、15歳となる2人の子どもたちとの向き合い方への反省があったといいます。

「上の子たちが生まれた2002年頃には、自分自身がまだ若く、仕事に慣れることで精一杯でしたし、社会も男性の育児休業取得を後押しするような風潮はありませんでした。共働きにもかかわらず育児は妻に任せきりだった当時を思い返し、今度こそ子育てにしっかり向き合いたいと思ったんです。一度きりの人生、子どもと過ごすための制度が整っているのに使わなければ、きっと後悔するだろうと思いました」。

こうして約半年間の育児休業取得を決意したものの、やはり会社に言い出すのは少しためらわれたという井原さん。
「正直、ダメで元々という気持ちもありました。数日間ならまだしも、男性が長期間育児のために会社を休むことは、カルビーの中でもまだまだレアなケースでしたから。おそるおそる上司に相談してみたところ、二つ返事で『じゃあ取れるように調整するよ!』と言われて。とても驚いたと同時にホッとしましたね。本当に環境に恵まれていると感じました」。

遊び場でひとりぼっちのパパ 試行錯誤の日々

業務の引き継ぎはもちろん、自身の休業と同時に復職する妻からの申し送りなど、万全を期して育児休業に入り、いざ赤ちゃんとの生活が始まると、思い通りにならないことばかりが続きます。

「子どもが起きている間は、離乳食作りやおむつ替えをしたり一緒に遊んだりして、やっと寝かしつけたと思ったら今度はその間に掃除、洗濯、自分の食事の準備。娘は30分ごとに目を覚ますので、自分の昼食をとる時間すらほとんどありませんでした。とにかく忙しくて時間が足りず、子育てはこんなにも大変なのだと改めて痛感しましたね」。

離乳食_追加

井原さんが娘さん(当時1歳)のために初めて作った離乳食

さらに井原さんを待ち受けていたのは、男性の育児参画が浸透していないが故の洗礼でした。
「家の中で遊ばせることにも限界があるので、自治体の子育て広場に連れて行って遊ばせていたのですが、そこにいる大人は女性ばかり。20人くらいのママさんたちの中に1人ポツンと男性の自分がいるのは、正直居心地の良いものではありませんでした」。それでも毎日のように子育て広場に通い、最終的には打ち解けて会話などもするようになったといいます。「この状況を変えるには、少しずつでも一人ひとりの意識を変えていくしかないと思います」と語る井原さんの表情には当時の苦労がにじみます。

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平日の公園。井原さんのほかに子どもと遊ぶ父親は皆無だった

妻の言っていることの意味が分かるようになった

当初は慣れないことばかりで苦労の連続でしたが、次第にコツをつかみ、娘さんの成長を楽しめるようになっていきました。

「娘とずっと一緒にいることで、日々のちょっとした成長を感じ取れるようになりました。少しずつできることが増えていく娘の様子を家族の中で最初に感じることができ『今日はこんなことができるようになったよ!』と妻や長男、長女に伝えられるというのは、想像以上に素晴らしい経験でした」。

また、育児をすることで子どもたちとだけではなく奥様との関係性も変わっていったといいます。
「子育てに積極的に関わるようになり、だんだんと妻が日頃言っていた言葉の意味が分かるようになりました。それまでは、おむつ替えなどは自分もやっていたのに妻が不満気な理由が分かりませんでした。今となっては、あの時の自分に『それくらいで育児している気になるな!』と叱ってやりたい気持ちです(笑)」。

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離乳食作りの腕前も回を重ねるごとにどんどん上がっていった

「パートナーや子どもとのコミュニケーションを深めるという点だけ見ても、育児休業を取得する意味は大いにあると思います。パパママどちらか一方だけではなく、タイミングは別々でもそれぞれが育児休業を取ってしっかり子どもと向き合うことは、親子にとっても夫婦にとってもメリットが多いと感じました」。

それぞれのとりまく環境の違いはあれ、1人の親として子どもと真正面から向き合うことに意味があるという言葉が印象的でした。

特別な理由なんていらない。男性の育休取得が当たり前の社会になるまで

井原さんのお話を聞いているとメリットだらけのように思える長期間の育児休業取得ですが、会社のカルチャーとして根付くまでには課題も多く残っています。

「私の周りでは、数日間の休暇を取る人はいても、長期にわたって育児休業を取得した男性はいませんでした。また、7カ月半におよぶ育児休業期間中、平日に子連れの男性に会うことはほとんどなく、小児科で1度会っただけです。社会全体を見てもかなり少数派なのだと感じました」。

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育児休業中、娘さんと2人でいろいろな場所に出かけた

今後、男性も当たり前のように育児休業を取得できるカルチャーを浸透させるために、必要なことは何なのでしょうか。井原さんが最も重要だと考えるのは周囲の理解です。
「今回、私が安心して子育てに専念することができたのは部署の皆さんの理解とサポートがあったからだと思います。心から感謝するとともに、男性の育児休業取得を受け入れる土台づくりはさらに進める必要があると感じました。積極的な取得を増やすためにはこの風土が必要不可欠です」。

そのほかにも、「会社貸与のスマートフォンを返却せずに育休に入れたので、会社や皆とのつながりは保てている実感があり、休業していることへの不安はありませんでした。コロナ禍での復職となりましたが、設定された状態でパソコンが自宅に届いたので、滞りなく業務を再開することができました」と、ハード面でのサポートも大きかったようです。

「ありがたいことに、私は周りの環境に恵まれたこともあって『育休を取らなきゃ良かった』と思ったことは一度もありません。夫婦どちらかが不在でも家庭が回るようになったので、出張なども快く送り出すことができるようになり、お互いの仕事の幅も広がりました。今取得を迷っている方には、胸を張って手放しでおすすめできます」。

最後に、育児休業を取得して一番良かったことを尋ねると意外な答えが返ってきました。「妻と長女からの評価が上がったことです」と井原さんは笑います。「家事全般を私がするようになったことが評価され、家庭内での地位を向上できたのが一番良かったことかな(笑)」。

私たちはすぐ、男性が育児休業を取ることに大義を求めてしまいがちです。でも本当は、特別な理由なんていらないのかもしれません。「家族の笑顔が見たい」、ただそれだけで十分なのです。

カルビーでは、2020年度の男性の育児休業取得率は26.5%と、まだまだ高くはありません。一方で、井原さんのように長期の育児休業を取得する男性は着実に増えており、それぞれが自身の働き方を見直し、ライフとワークの両立に向き合う良い機会となっています。カルビーはこれからも、多様な価値観やライフスタイルをもつ従業員(社員)一人ひとりが自分らしく、個性を発揮できる、全社員が活躍できる組織づくり、風土づくりを行っていきます。

この記事が世の中のお父さん、お母さん、そしてその周囲の人たち全員にとって、少しでもエールとなりますように。


#育休

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